1月27日(日)晴れ

F誌の原稿と『百年の誤読 海外篇』のまえがきを書き上げ送稿。
原稿を書く合間に大阪国際女子マラソンをチラ見してたんだけど、福士のアレはどうなの。通常のマラソンの練習としては規格外の、40kmを走らせずスピード練習ばかりを繰り返したというコーチ並びにスタッフの見通しの甘さのせいなんじゃないの。競技場に入る前に一度、トラックに入ってから三度転倒して、それでも完走を諦めなかった福士選手の姿を見て感動する人は多いのかもしれないけれど、わたしには単なる愚行の結果としか思えなかったんである。
30kmまでの一人旅も、競馬でいうところのいわゆる“テレビ馬”(逃げ馬がものすごいペースで走って大向こうまで他馬を大きく引き離し、ただ1頭だけテレビに映る状態。まあ、たいていは福士選手同様直線に入って馬群に沈むんだけど、サイレントスズカのように大逃げをうったまま影も踏ませずゴールする優駿もいる)。コーチはマラソンをなめとるな、そう思いながらチラ見していたんではありました。
夜、車で渋谷にある佐々木敦さんの事務所へ。「エクス・ポ」2号用の新刊書評鼎談を佐々木さん、仲俣暁生さんと行う。芥川賞の結果から伊坂幸太郎の『ゴールデンスランバー』、古井由吉の『白暗淵』などの話題で夜中の12時まで。
ICレコーダーを切った後からがぜん話が生臭くなって面白くなるのは座談の常だが、業界内の出来事に疎いわたしにとっては面白すぎる話題ばかりで大盛り上がり。しかし、2、3日もすればきっとすっかり忘れてしまうのであった。鶏頭。