2月11日(月)曇り

ダメなパソコンは、しかし、プリンターのUSBのことは認識している。ダメなのはiPodのケーブルだったのか? すまん、パソコン。
D誌、T誌、G誌の原稿を書いて送稿。本当はもう1本書くべきなのだが、もういっぱいいっぱい。『百年の誤読 海外篇』の念校チェックを済ませて、本日の仕事は仕舞い。
スーパーに行ったら、餃子の皮が全種類売り切れていた。冷凍製品が危ないから、今度は自分で作るってか? 作れるなら、最初から自分で作れよ。
貴志祐介新世界より』(講談社)読了
人類が「呪力」という力を手に入れた1000年後の世界を舞台にしたSF。「八丁標」という注連縄によって外敵から守られた町で生まれ育った早季という女性が、未来の人類に向けて書いた回想記という体裁がとられている。早季と幼なじみの瞬、覚、真理亜、守の子供時代を描いた前半は、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』(早川書房)のテイストに似ており、人間を神と崇め雑役をこなす醜い生き物バケネズミをはじめとする架空の生物が跋扈するところは椎名誠の『アド・バード』(集英社文庫)の創意に近い。
正直にいうと、わたしは貴志さんという作家は『黒い家』(角川文庫)以外に感心したことがなく、映画化された『青の炎』や日本推理作家協会賞長編賞を受賞した『硝子のハンマー』も人がいうほどいいエンタメとは思っていなかったんである。でも、『新世界より』には素直に感嘆の声を上げた。読んでとびきり面白い物語の中に、大きな世界を作り上げている、大きな思想を描いている。
こういう作品こそを直木賞の候補に挙げてほしいけれど、SFを意味もなく嫌っている今のファッキン直木賞じゃそんなことを願っても詮無きことか。

新世界より (下)

新世界より (下)