中田翔クンウォッチ・彼はファイティー属である編―ファイターズ名護キャンプレポート 5.―

イケメンウォッチャー (純イケメンから逆イケメンまで、気になる選手を語る)

やることなすことに大物ぶりを発揮し、見ている者を楽しませてくれている、
ゴールデンルーキー、中田クン
キャンプでウォッチングしていて、ある生き物のことを思い出しました。

名前はファイティー。東京ドーム時代のファイターズのマスコットです。

現在の、北海道日本ハムファイターズのマスコットはB・B(ビービー)といって、北海道らしい、熊のキャラクター。バク宙なんてお手の物というバツグンの運動神経の持ち主で、選手と見紛うスタイルの良さ。おまけにピアノを弾いたり、チームの公式ページでブログを書いたりという多才ぶり。

<ファイターズ公式サイトでのB.B.のコラム> http://www.fighters.co.jp/expansion/entertainment/bb/column/index.php

ビジターゲームの球場に行っても八面六臂の活躍で、敵チームのファンからさえ大人気の、素晴らしいマスコットなのです。

ファイティーはB・Bの前の、ファイターズでは2代目のマスコットです。
全身どぎついピンク色。ボテ腹、短足くちばしとしっぽがあって、ギョロ目…。何のキャラかというと、プテラノドン翼竜です(何ゆえ恐竜か、意味は不明)。

2005年の、東京ドームでの最終ゲームを最後に引退しました。彼の引退にはいろいろいきさつがありましたが、それは省略します。彼の皮?(生地)を切ってプレートに収めた、ファイティーDNAなんてもんが売り出されたりしたんですけどね。
ま、いわば絶滅恐竜みたいなもんです。

初代のギョロタンもかなりとんでもないマスコットだったのですが、ショッキングピンクの2代目が登場したとき、東京ドームのファイターズファンは、頭を抱えました。およそスポーツチームのマスコットとは思えないこいつのおかげで、プロ野球ファンの中でシェアが1%に満たないファイターズファン*1が、また減るのではないか、とおののいたものです。それくらい奇天烈なキャラクターでした。

ところがこのピンク色の生き物は、日が経つにつれ何とも奇妙な魅力を放ち始めます。
さほど芸はありません。せいぜい自転車に乗ってみせるぐらい。あとは、場内を回ってはファンに手を振ったり、一緒に写真をとったりしていることが多かったのです。そんな彼は、彼の周りの空気をふんわりと和らげてしまう不思議な力を持っていました。

当時のファイターズは弱いチームでした。もう少しのところで負けたり、こてんぱんに負けたり、なんとなく負けたり、いつの間にか負けたり…。そういうとき、ちょっと切ない気持ちでグラウンドからスタンドに視線をそらすと、ピンク色のとぼけた姿が目にとまる。
弱いチームと、弱いチームのファンを、彼はいつも見守っていて、その姿を見ると、負け試合でトゲトゲした気持ちが何となく和むのです。

いなくなってしまうとわかった時、東京ドームのファイターズファンは、彼がどれほど自分達の心の寄る辺になっていたか、しみじみ思い知らされることになりました。

<普段のファイティーの雰囲気をよく伝えてくださってる記事> http://sukao.cocolog-nifty.com/blog/2005/04/post_adea.html

<ファイティー最後の日をよく伝えてくださってる記事> http://closedeyesde.gozaru.jp/baseball/fighters/fi08_02.htm http://blog.goo.ne.jp/sinus_dbd/e/3ed21d65f41199b8891c1fd26e45d8c6


さて、長々マスコットの話をしましたのは、他でもない。キャンプで見せてくれた中田クンの愛嬌のある姿や動きが、なんだかだんだん、ファイティーとダブってきたからです。

ポテッっとした体型や、けしてスマートとは言えない走り方。どこかとぼけた仕草。
中田クンには、周囲の人々の警戒心を溶かしてしまう緩(ゆる)やかさがありました。

そしてもう一つ。
キャンプを見学に来たお客さんの間で、連れてきた赤ちゃんや小さなお子さんを、中田クンにだっこしてもらうのが流行っている、というニュース記事がありました。
ファンというものは思いの他、選手の気配に敏感です。感覚が鋭い分少し神経質な若者が多い今時に、中田クンの醸し出す、繊細すぎない寛容な雰囲気が、金太郎さんのような明るさ、健全さと受け止められたのでしょうか。
東京ドームにいたファイティーも、いつも子ども達に囲まれていて、大きなお腹にしがみつかれたり、泣いている子の頭をなでたりしていました。
選手のタイプを、マスコット学的分類で分けてみるなら、
まだ10代だっていうのに、小さな子どもをだっこする姿が似合ってしまう中田クンは、やっぱりファイティー属なんだ!
と、思うのです。

ここ数年、ファイターズの選手はみんな、B・B属に分類されるタイプばかりでした。
ほれぼれするほどスタイルのいい、ダルビッシュ選手や森本ひちょり選手を筆頭に、きりっと引き締まった体型の選手が揃っています。俊足で、きびきびと元気。B.B.属の選手達はとてもステキです。B・B属の選手達のプレーする姿はカッコいい。

そんなB・B.属の集合体の中に、突然絶滅恐竜の血を引く選手が現れるなんて…。

常に一生懸命・前向き・全力なB・B属選手達の中で、苦手な練習は手抜きしたい願望丸出しになっちゃう中田クン。報道陣やファンに囲まれるのが平気で、人大好きオーラが溢れている、中田クン。赤ちゃんを抱っこさせちゃってもOKと思われちゃう中田クン。

ああ、ファイティー属…。
もう、なつかしさと新鮮さで胸がキュンキュンです。
スマートなB・B属の選手達の中に、一人くらいファイティー属がいるのも楽しいじゃないか。

彼がずっとあのままで、レギュラーになって大活躍をして、そしていつの日か、『ファイティーくん』なんて呼ばれたらいいなあ…。

沖縄から帰ってから、ずっとそんなことばかり考えているのです。

*1:当時本当に発表された統計であります。