文庫解説が好き。(1)
北村浩子さま
タイトル「ウンチな2人」でも良かったかも。私も体育の成績はずーーーっと2でしたから。
北村さんオススメの『ココ・マッカリーナの机』、未読だったので早速買いました。出てくる人たちがみんな魅力的ですよねえ。解説にもあるように〈会ったこともないアメリカ人を好きにならずにはいられなくなる〉。
今回のお題は解説にまつわるエトセトラ。私は文庫の解説ってすごく好きで。だいたい最初に読むんですよ。解説を読んで買うかどうか決めることもあるし。作家の人となりが垣間見えたり、思いもよらない「読み」の発見があったり、さらに他の本が読みたくなったり。いい解説は単独の読物としても面白いし、本編読了後にも再読したくなります。
ところが、いまは解説のない文庫が珍しくありません。「本の雑誌」2007年10月号にも「緊急レポート 文庫解説が減っている!?」と題した記事が載っていました。2002年7月と2007年7月の1か月間に出た文庫(新潮、集英社、文春、講談社、角川)で、解説の有無を比較しているんですが、パーセンテージが増えているのは角川文庫だけ。特に集英社と新潮は84.6%→53.8%(集英社)、91.3%→70.6%(新潮)と激減しているんです。
全期間で調査したわけではないから、全体で減っているのかどうかはわかりません。でも7月って夏の文庫フェアの時期ですからね。各社目玉商品を出しているはずで。原稿料がコストとして重くなってきているのだろうとその記事にも書いてありましたが、解説ファンには由々しき事態ですよ。というわけで、まずは文庫解説そのものの魅力を紹介した本を探してみました。
- 作者: 斎藤慎爾
- 出版社/メーカー: メタローグ
- 発売日: 2003/08
- メディア: 単行本
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特にかっこいいなぁと思ったのは倉橋由美子による『犬狼都市』(澁澤龍彦著、福武文庫)の解説。最後の一文にしびれます。
長くなりましたが、まだ書き足りないので(2)に続く(笑)。最近読んだ文庫で、好きな解説を紹介します。
石井千湖