『hot mama ― 私、妊婦ですが何か?』

hot mama―私、妊婦ですが何か?

hot mama―私、妊婦ですが何か?

最近のケータイの予測変換って親切すぎ。先日「育児休暇」と入力しようとして「いくし」まで打ち込んだら「育児に追われる」という候補を出してくれた(実話)。「育児」とは「追われる」ものという固定観念がここまで浸透しているとは。あるいは、実際に使用された言葉を集計・分析した結果の機能なんだろうけど、「育児を楽しむ」よりも「育児に追われる」と変換した人が多かった証拠ってことか。

いずれにせよ、育児にはなにかとマイナスイメージがついてまわる。

今日紹介する本の「hot mama」とは〈妊娠中も格好よく、ポジティブに生きる女性の総称〉のこと。

確かに、妊娠・出産・育児って、たとえば陣痛の痛さ、ツワリ、でっぷりとした体型、睡眠不足、育児ノイローゼなどなどネガティヴな要素ばかりが取り上げられて、なんだかあんまり楽しそうじゃない。そこで「そんなことないよ! 気持ちの持ちよう次第ではこんなにステキなイベントなの!」とマタニティライフをクールに乗り切るノウハウが書かれた本書は、アメリカで最初出版されて反響を呼んだとな。

旧石器時代から妊婦は神聖な存在としてあがめられていたという、少々お堅い話から始まりますが、すぐにヘルシーな食生活、ビューティ、ファッション、マッサージ、ナイトライフ(ってクラビングとかじゃなくて要するにセックス)について事細かなアドバイスが始まります。

いかんせん、アメリカの本なので日本の育児書と書かれていることが違ったり、〈スレンダーな体型を誇っていたモデルたちなんか目じゃないわ。悔しかったら、ブラウニーでも食べて太りなさい!〉なんていう少々バタくさい記述も散見されたりしますが、妙にハイテンションな文章と自信に満ちた妊婦のイラストにつられて「な、なんか妊娠生活乗り切れちゃうかも〜〜??」と励まされること請け合い。

私が妊婦のときはワンピやチュニックが流行ってたので、わざわざマタニティ服を買わなくても、ふつうにお買い物を楽しめたし、たびたびの旅行にマタニティスイミングとかなり楽しい十月十日でした。ツワリをはじめとするトラブルがなかったというのも大きいけど、どうせならいろいろとそのときにしかできないことをやってみようと、積極的に妊婦であることを楽しんでました。飲み会にも行ってたしなあ(さすがに酒は飲んでないけど)。

この本を鵜呑みにするというよりは、妊娠初期の不安だらけのときにカンフル剤的に読むのがよいかも。プレゼントにも◎。