3月7日(金)読書三昧の巻

C誌の原稿を書き上げ、送稿。
終日、読書。
金原ひとみ『星へ落ちる』(集英社読了
これは、ひどい……。単なるメロドラマ。どうしちゃったんでしょう、金原さんは。
本谷有希子乱暴と待機』(メディアファクトリー読了
4年近くもの間、六畳間ひとつの陰気なアパートで同居している30歳間近の“兄”英則と“妹”奈々瀬。奈々瀬は常にグレーのスェット&メガネのださい恰好で家にこもって、「あの日」以来全く笑わなくなった英則のためにお笑いのネタを考える日々を送り、一方、英則は屋根裏に潜り込んでは“妹”を覗く行為を繰り返しており――。
ださい恰好をやめれば実は可愛い奈々瀬の妹萌えキャラがあざといといえばあざといけれど、英則と奈々瀬の共依存の関係のありようは斬新だし、〈いいか奈々瀬。この世界はすべて自分があると思い込んでいるから存在しているだけで、実は目を離している隙になくていいところは省略されて消えているんじゃないかって気がしてしょうがないんだよ。(略)だから俺はこうやって不意打ちで世界が手抜きしてないかどうか確かめてるんだよ。監査だよ、監査。査察、とも言うよ。抜き打ち検査とも言うよ〉といういかにも中二病的な世界観も、この六畳一間の小宇宙の中に限ってはは有効かと思われます。

乱暴と待機 (ダ・ヴィンチブックス)

乱暴と待機 (ダ・ヴィンチブックス)