『ぼく おかあさんのこと・・・』

ぼく おかあさんのこと…

ぼく おかあさんのこと…

ごぶさたしておりました。運転免許を取得すべく教習所に通ってたり(託児所はもちろん、自宅送迎もありのママさんプラン)なんだりで、すっかり更新できずにおりました。

きょうご紹介するのは、子どもはもちろん、大人の女性にも人気の高い酒井駒子さんの絵本です。杉江松恋さんの領分を微妙に侵蝕しております(笑)。

タイトルの『ぼく おかあさんのこと…』に続く言葉は、なんと「キライ。」。絵本のなかでも太く大きい文字で強調されていて、リアルに息子のいるわたしとしては「そ、そんなこと言わないで〜(涙)」てな感じで一気にツカマれます。

小さな男の子うさぎがぷいっと横を向きながら、滔々とおかあさんがキライな理由を述べていきます。〈だって ねぼすけ なんだもの。〉〈ドラマ ばっかり みて マンガ みせてくれないし〉〈すうぐ おこるし・・・〉。あげく、〈ぼくとは ケッコン できないって いうし。〉……な、なんて可愛いんだ!!!! うう、きゅーんとするよ、きゅーんと!

しかし、息子に萌えてる場合ではない。このあと怒った〈ぼく〉は〈もう こんなおかあさん おわかれしよう。〉〈サヨナラ おかあさん!〉と家を出て行ってしまいます。どこ行っちゃうの〜〜とここでまた母であるわたしは涙が出そうになる。おかあさんに愛想をつかした〈ぼく〉は帰ってきてくれるのでしょうか?

うさぎの親子の絵がなんともかわいらしくて、ほのぼの。そしてやっぱりきれいで、酒井さんの絵の魅力が炸裂。途中、文字のないページが4ページほど続くのですが、その間の持たせ方、登場人物の表情の豊かさ、お見事としか言いようがありません。また、子どもからの“大人の都合のよさ”へのシビアな視線にちょっとドッキリ。〈おせんたく わすれるから、ぼくの くつした きのうも きょうも おんなじのだし〉という箇所があるのですが、我が家は外出時にだけ靴下を履かせていて、ちょっとしか履いてないから洗わなくていっかーと2〜3日履かせることがあります(苦笑)。わーめんどくさがりでごめんよー。恣意的なだけに余計タチが悪いか??

近い将来、この本を読んであげたら、うちの息子も「おかあさん キライ!」って一緒になって大声で叫ぶんだろう。弾けるような笑みを満面にたたえながら。いいよーだ、どれだけキライって言われても、おかあさんはきみのことが大好きだもんねー。抱きしめながら読んであげたい1冊。