『初めての育児』

初めての育児 (たまひよ新・基本シリーズ)

初めての育児 (たまひよ新・基本シリーズ)

注※このエントリ、少々説教臭いです。ごめんあそばせ。

育児中はじっくりパソコンに向き合う時間があまり取れないので、片手間にケータイでサイトを見る時間が増えました。

育児関係のちょっとした疑問や豆知識を仕入れるには、子育て関係の掲示板やSNSが手っ取り早いので、そこらへんを重点的に巡回しているのですが、そこでびっくりするのが「超基本的なことまですべてネットで聞いてしまう人々」。

うーん、世代の違いとか言われたらグーの音も出ませんが、たとえば〈離乳食はいつから始めるんですか?〉とか〈スリングって何ですか?〉とか、その文言を書き込む手間があったら調べられるようなことまで、ひとに訊ねて済ませてしまう。それでいて、本人たちはきちんと「調べた」つもりになっている。あくまで「訊ねた」だけだよ、それ。離乳食の開始時期を聞いたら、次は〈何を食べさせるんですか?〉。それを逐一やられると、なかなか見ているほうはストレスフル。「昔はそういうの『教えてちゃん』とか呼ばれてたんだよー」と、ネットリテラシーが云々、ひいては格差社会が、下流社会が、とかうっかり口がすべりそうですが、脱線が過ぎるのでそれは脇に置いといて。

手元に1冊、超基本情報が載ってる本を置いておけば、いちいち聞かなくても済むだろうに、とわたしなんかは思ってしまうのであります。よくわからない事態に直面して覚える不安と、質問を投げてレスがつくのを今か今かと待つ不安の2つを抱えるのは、精神衛生上よくないんじゃないかなあ。

『初めての育児』は、もうド定番の育児書。〈たまひよ 新・基本シリーズ〉というシリーズ名からしてもうなんというか“山本屋の海苔”並みの安定感がある。

0ヶ月〜2歳まで、1ヶ月ごとに発育の目安、育て方のコツなどが写真入りで丁寧に説明されている。実際にその時期に直面したトラブルなどの体験談が載っているのも、親近感を覚える。

また、「離乳食」「予防接種」「健診」「病気」など、0〜2歳児の育児に欠かせない超重要テーマについては、別途章立てしてあり、これまた懇切丁寧に図解などを交えてある。「病気」の章には、家庭内で起こりやすい「ぶつけた」「切った」「やけど」などのケガに対する応急処置の方法もしっかり書かれている。

もちろん頭から通して読むものではなくて、該当する月齢のところを辞書のように引いて読めばいい。「読む」というほど文字量があるわけでもない。〈赤ちゃんが熱っぽくて、ぼーっとしてるんですが、これは病院に行ったほうがいいんでしょうか!?〉なんていう書き込みも全然珍しくないんだが、子どもが病気かも、怪我かも、とテンパってるときにいちいちネットにつないで、誰か教えてくれるのを焦れながら待つよりは、ぴゃっとページを繰ったほうが早いと思うんですけど。

もちろん「本>ネット」だなんて100%言えた話じゃないことは重々承知。さりとて、あまりにも俯瞰的あるいは予知的に知識を仕入れないまま育児に取り組むのって、怖くないんだろうか(あ、育児ポータルサイトとかで知識を仕入れることは可能だけど、そうでないひとがぽんぽん初歩的な質問を投げてるんだよね)。

わたしはひと月に1〜2回、そのときの月齢のページを読んでいます。「ああ、この先はこういうことができるようになるんだな」とか「これがまだできないんだけど、だいじょうぶだろうか」など、予習と復習のような感覚というのでしょうか。詳しい離乳食のレシピなんかは載っていないけど、前提が頭のなかに入っているのとそうでないのとでは、その後の情報収集の質に大きな差が出てくる。

この本はカラー印刷で250ページ超としっかりした造りなのにもかかわらず、1300円とたいへんお買い得。買ったときびっくりした。見た目よりはるかに安いですよ。家計をやりくりしてるママさんたちもこのくらいなら捻出できるでしょう。

ちなみに小心者のわたしは、出産前に基本の育児書を選びきれず、『CD付き 0‐3歳までのはじめての育児 (ママを応援する安心子育てシリーズ)』も買ってしまいました。こちらは童謡CDつきで1500円。中身はたまひよと同じような感じですが、こちらのほうが少々発育についての記述が前倒しに書かれている気がする。CDは、歌と歌のあいだに小芝居が入っていて、それはちょっと蛇足だったと思います。