第2回 続・乙葉の巻

 長きにわたって更新を怠っている間、アイドル世界ではいったい何が起きていたのか。
 歌手の倖田來未がラジオの深夜番組で、三五歳を過ぎると母親の羊水が腐ってくる、と発言、物議を呼んだり、女優の広末涼子が電撃離婚したり、動画投稿サイトYouTube を賑わしていた日本語遣いの謎の米国人美少女マギボンが来日したり、巨乳系演技派女優・真木よう子の主演ドラマ「週刊真木よう子」の放映が始まったり、秋葉原の路上撮影会で下着を露出した自称グラビアアイドル沢本あすかがお縄になったり、元モー娘の加護亜依が香港映画で芸能界復帰することになったり等、相も変わらずの賑わいぶり。
 してみると、ワタクシがアイドル情報をどこいら辺から仕入れているかも自ずと明らかになろう。すなわち雑誌に深夜TVにインターネット−−って、世間の皆様と大して変わりないんですけどね。
 さて、ワタクシが乙葉を見つけたのは、深夜TVのバラエティ番組においてであった。ある晩気ままにザッピングしていたら、高田純次大竹まこと(だったか中尾彬だったか)といったコテコテのオヤジ達を相手に自分の贔屓のお店を独特のハイテンションで楽しげに紹介する娘あり。いかにも天然そうなその娘が乙葉だったわけだが、その時点では、モデル系なのか女優系なのか、まったくわかっていなかった。
 ダークな芸能界でも、たまに汚れというものをまったく知らなそうな清純派(死語)が出て来ることがあるが(最近では、たとえば女優の綾瀬はるか)、乙葉はまさしくそのタイプ。実際、理想のタイプは公務員と公言、初めての水着撮影の際には、水着になるのが恥ずかしいと泣いたものの、「水着にならなくていいアイドルは、松たか子だけじゃ〜っ!!」と説教されたという話はあまりに有名だ。
お馴染み『NIPPONアイドル探偵団2001』(宝島社)ではランキングこそ一八六位とふるわなかったものの(一位は深田恭子)、コメントでは「グラビアアイドル界の新世紀を担うのはこの人。童顔+巨乳+ナイスバディの基本はもちろん。透けるような白い肌、かわいい声、天然系のキャラクターとテレビなどでも確実に受ける。完璧すぎるのが唯一の弱点」と大絶賛。なるほど、その後あれよあれよという間に、バラエティに映画にドラマに、活躍し始めたのであった。
 もっとも、その後郷里にいる父親が変死するなど、暗い話題もなかったわけではない。その手のエピソードが「本当はもっとあるのだが、差し障りがあり過ぎるのでここでは挙げないでおく」(「グラビアアイドル50選 1997-2006」/『QuickJapan Vol.68』太田出版)などといった清純派のイメージを崩壊させそうなそら恐ろしい話もあるようだが、どっこい安曇野娘は強かった(乙葉北安曇郡池田町の出身)。不幸なイメージにつきまとわれることなく、その後も活躍を続け、二〇〇五年にはお笑いタレントの藤井隆と結婚、間もなく一児の母となり、現在は奥様タレントとして芸能界に復帰している。
 オフィシャルブログでも頻繁に写真が載っているが、容貌はまったく衰えていないし、水着姿だってまだまだいけそうだ。まあまだ二〇代なんだからあたりまえなんだけど、奥様タレントとしての道を着々と歩みつつある今、水着になる可能性は限りなくゼロに近そう。となると、かつての水着写真が時間がたつにつれお宝化していく可能性のほうは大ということであるが、アホなワタクシは壁紙に使った写真をいつの間にか消去してしまったらしい。PCのどこを探しても見当たらないのだ。
 あー、バカバカ、と反省してももう遅い。
 失われた青春は二度と戻ってはこないのである。
(現在の壁紙:青島あきな

乙葉DIARY 二〇〇二‐二〇〇三

乙葉DIARY 二〇〇二‐二〇〇三