11月30日(日)福岡はよか所の巻

まず、28日(金)の話から。国内小説&海外小説&主流小説&エンタメ、ジャンルの壁をすっかり取っ払ってベストテンを決めるという試みは面白いけれど、やはり現状のやり方だと難しいと思った次第。このイベントを開くにあたっての事前の準備不足も反省したい。というわけで、たかが司会者の立場にあって大きなお世話ですけど、改革案を提案。
1)Book Japanに参加している評者全員(100人いるのか?)に、まず、「海外文学ベスト3」「国内小説ベスト3」のアンケートを取る。
2)その結果残った上位20作を対象に、あまりにも主流小説、もしくはエンタメにかたまってしまわないよう、それぞれの分野に詳しい人の意見を入れながら細かい調整を行った末、10作に絞る。

この作業をやらないのが、わたしは本屋大賞の弱点だと思っている。
3)「国内篇」「海外篇」に分けて公開討論する。その際、国内篇と海外篇のメンツは変える。餅は餅屋で、得意な人に任せたほうが議論の内容が充実すると思うので。ただし杉江松恋さんは首謀者だから両方を仕切ってもいいかも。


29日(土)は福岡へ。1泊仕事の場合は、羽田までマイカーで行って駐車場に入れておくのだけれど、この日は土曜日なのに首都高速が異様に混んでしまい、タッチの差で搭乗手続きに間に合わず。おまけに携帯電話を忘れるというていたらく。公衆電話でスタッフに連絡を取るも、福岡市総合図書館で14時から行われるトークイベントには遅刻必至。お互い暗い声になってしまったのだけれど、なんと奇跡的に5分前に到着できたのである。よかった、社会人失格にならなくて。でも、この幸運で今週分の運は使い果たしたと思われるので、アサクサキングスから買ってみようと思っていた日曜日のジャパンカップはスルーすることに決定。当たるはずがないのである。
で、どんな本を読んできたのか、どんな読み方をしているのか、今年のおすすめ本といった話をしてきたのだけれど、100人ほど集まってくださった皆さんのかもす雰囲気がとてもよくて、話しやすかったなー。質問もいっぱい出て、金髪ブタ野郎にしておしゃべりクソ野郎であるところのトヨザキ感謝感激つかまつり候の巻。
これは、来場なさった皆さんとわたしが開きあったからなのだと思う。舞城王太郎の小説じゃないけど、やっぱり他者や世界に対して自分を閉じちゃだめなんだと再認識。開かなきゃなー。
夜は、2年くらいの間で不思議なほど仲良くなった西南学院大学の先生方と鶏鍋。美味しい鍋をつつきながら、黒くてバカバカしくて刺激的な話で大いに盛り上がった次第。
ブックオカというイベントが成功しているのはめでたいという話の流れで、「明日は亀山郁夫さんがドストエフスキーネタで講演するんだけど、300人の定員があっという間に埋まったらしいよ。なんで? 福岡県民はそんなにドストエフスキー好きなの?」と訊いたら、ハイカルチャーから『北京原人Who are you?』までどんな話題にも食いついてくる博識ぶりから、わたしが「キング」という敬称を奉っているT村先生が「亀山さんは今や福岡では姜尚中の後釜イケメン学者として、カメ様と呼ばれている」だって。ほんとかよ(笑)。でも、オデはこれからそう呼ぼっと。カメ様(笑)。
結論。福岡はよか所ったい。