12月21日(日)純文学はっ!?の巻

本の雑誌」2009年1月号の、椎名誠による「今月のお話」の内容が業界にちょっとした衝撃を与えているようです。
《二○○八年になって『本の雑誌』の経営が急に悪化し、このままでは「休刊」に追い込まれるかもしれない》
連載陣の一人である身にとってはもちろんのこと、学生の頃から愛読してきた雑誌にまつわる一大事なのだから、そりゃあショックなんであり、執筆陣の原稿料を下げて少しは何とかなるものなら協力は惜しみませんが、「本の雑誌」1月号には別の意味でも衝撃を受けてしまった、そのことをここでは書いておきたいと思うんですの。
それは「新刊めったくたガイド」のコーナーについて。
このコーナーは2年だか3年だかおきにレビュー陣を刷新することになっていて、今回がその刷新号にあたってるんです。
それぞれの担当分野は、三橋曉が海外ミステリー、大森望がSF、山崎まどかが海外文学、宇田川拓也が国内ミステリー、アライユキコが国内の小説、金子のぶおがノンフィクション、北上次郎がエンターテインメント――そんな棲み分け。で、1月号をチェックして思ったんですの。
純文学は、いずこへ?
純文学紹介する人がいないじゃん!
最初は、わたしの長年の友人であり、仕事上でも仲間といっていいアライさんが純文学担当なのかなあと思ったんですけど、アライさんが今回取り上げてるのは平田俊子の『殴られた話』、新堂冬樹の『女王蘭』、中村航の『僕の好きな人が、よく眠れますように』、泉和良の『spica』、ぱーぷるの『あしたの虹』。日本の小説ではありますが、純文学的選書ではありません。
いや、アライさんの選書に文句があるんじゃありませんよ。そうじゃなくて、新メンバーに(前のメンバーでいうところの永江朗みたいな)純文学に強い人を入れなかったのは、なぜなのかなあと思ったんです。で、「新刊めったくたガイド」に純文学が1冊も入ってないのが、淋しいなあと思ったんです。エンタメばっか紹介するのはバランス悪くないですか、どうですか?
というわけで、個人的呼びかけを。
アライさん、がんばって!純文学にも光を当てたげてっ!!
オデも自分の連載でなるべくがんばるから。