1月15日(木)直木賞って愉快だなの巻

というわけで、第140回芥川賞直木賞の結果が発表されました。
芥川賞津村記久子さんの「ポトスライムの舟」。直木賞山本兼一さんの『利休にたずねよ』と天童荒太さんの『悼む人』。
芥川賞の結果は、全候補作を読んだ方ならご理解いただけるはずですが、至極順当。津村さんはこれで(かつては残念芥川賞とも呼ばれた)野間文芸新人賞芥川賞の2冠に輝いたわけですが、野間新人と芥川双方を受賞している作家は多くありません。つまり、大器です。デビューから芥川賞受賞まで早かったのも素晴らしい。申し分のない新芥川賞作家の誕生というべきで、今後も活躍すること間違いなしです。
かたや直木賞はといえば、半分順当で半分不当。詳しくはメッタ斬り!のサイトにあたっていただきたいんですが、
http://web.parco-city.com/literaryawards/140/
わたしは天童さんの作品に授賞するのはおかしいと思います。
『悼む人』の著者あとがきを読めばわかることですが、この天童作品には歴代の「オール讀物」の編集長や編集者がかかわっています。そして、直木賞の司会をつとめるのは「オール讀物」の編集長だと聞き及びます。選考会の場でどんな“説得”があったのか。なかったのかもしれません。選考委員の意志だったのかもしれません。でも、そういうあらぬ疑いをかけられても仕方ない、作品の出来不出来から判断する限り不自然な、天童作品への授賞なんです。と、わたしは考える次第。いくらブランチの松田哲夫さんやエンタメ読みの強者・北上次郎さんが激賞しようが、わたしにはこの作品が素晴らしいとはとても思えないんですの。
ま、元々そういうヘンテコなとこの多い賞なんですけどね。ある意味、“期待”を裏切らないっていうかな。愉快な文学賞ですよ、はい。




こんなのポトラッチ(贈答)じゃねーかよ。