4月4日(土)原稿料引き下げの巻

平成大不況は、一介のライターの身にも、もちろん無関係ではないんであります。
3月に入って、「TV.Bros.」を出している東京ニュース通信社と、「FIGARO・jp」を出している阪急コミュニケーションズから、原稿料引き下げの通告を受けたわけで。
いや、苦しい時はお互い様だからいいんですよ。ただね、長年ライター稼業をしていて「なんだかよー」と思うのは、引き下げる時は引き下げといて、景気が持ち直した時に「元に戻します」もしくは「上げます」と言ってくれる出版社ってのは皆無だってこと(あ、ちょっと言い過ぎました。組合が強い頃のマガジンハウスは春闘の時、ライターの原稿料に関しても闘ってくださったものです。今は昔のお話ではありますが)。
所詮、出版社にとっては作家でもないライターなんつーものは“消費財”なんでありましょう。使い勝手のいい時は仕事を与え、原稿料でごねたり、面倒な要求をするようになれば、使い捨てる。そんなもの。
全国のライター諸君、結局自衛するしかないんです。
自衛策その1)自分のスキルを上げる。
自衛策その2)特定の出版社とだけつきあうのは避ける。できるだけ多くの出版社と仕事をする(それを守っていたおかげで、わたしはかつて文藝春秋から干された時もなんつーことなく生活していけました)。
自衛策その3)自分より若い編集者と仕事をする。自分と同世代の編集者は、自分が年をとるにつれ編集の現場から離れていきがちなので。
自衛策その4)感じのいい人間でいることを心がける。考えてもみてください。同じ力量のライターが2人いたら、そりゃ、編集者だって人間だもの、つきあって楽しい人と仕事をしたがりますってば。
ではでは、皆さん、原稿料引き下げにも負けず、消費財扱いにもめげず、がんばって誠実に仕事をしていきましょう。