韓流ロマンス映画2本

今回は趣向を変えて韓流映画2本立てとしました。

「ノートに眠った願いごと」(’06)
<ものがたり>
結婚を迎えた幸せなカップル。ある日、デパートに新居の買い物に行く約束をしていた2人だが、彼の仕事の都合で彼女だけが先に行くことに。地下の喫茶店で彼を待つ彼女。やっとデパート前に到着し、横断歩道を渡ろうとした彼の目前で信じられない光景が…。

95年、ソウル市内のデパートが瞬時に崩壊した実際の事件。死者500人超を含む、総勢1500人以上もの犠牲者が出たこの大惨事では、驚くことに10日以上生き埋めにされて無事助かった人もおり、そのことをベースにしたと思われる恋愛映画。事故から10年後、眼前で恋人を失った主人公のもとに、彼女の遺品であるノートが。”あなたとわたしのラブラブ新婚旅行プラン”と銘打った(?)直筆のノートの通りに彼氏は旅に出ると、観光地の行く先々で同じおねーちゃんに遭遇。しかも話してみると彼女のナレーション(?)と同じ観光案内が。ほとんど最初の方でこの女性2人の関係はバレバレなので、もしかしたら他に何かあるのでは…と観てたけどやっぱりそのまんまでヒネリは無かった。それにしてもこの物語、偶然に頼りすぎ。どうやら韓流映画にはありがちらしいのだが、
・ コース通りに動くとしても、なぜ2人は同じ日時にたどり着くのか
・ ↑は、もしかして例えば命日から始めたとか…と半ば好意的に考えようと思ったが、事故のあったのは夏で、旅行はバリバリ秋真っ盛り<?
・ しかも男は乗用車で、女の方はなんとヒッチハイク
とか。他にも、なんで10年後にやっと届いたのかとか、主人公が敏腕検事に見えないとか、おねーちゃんの弟がグレ気味で財布から金を抜き取るシーンの必然性とかトホホ度も高いんだけど、全体的にはテレ東ゴールデンタイム的”秋の韓国ロマンチック観光案内”で、観てる途中で案内人が変わるような気がしてきたのは私だけなのか。
でも前半のデパート崩壊シーンがやたら凝ってて、
ズズーングァラグァラバリバリガシャーンドドドドドドシーンゴォー
みたいな、そこだけパニック映画度全開(全身火だるまの人が飛んできたりとか)なので、せっかく観光招致用の映画なのに(?)、「やっぱりこんな恐ろしいところには行きたくない…」と引いちゃう人も多いんでは…と思ったりしたけど余計なお世話に違いない。

「スカーレットレター」(’04)
<ものがたり>
血まみれで呆然と通りを歩く若い女。夫である写真館の店主は店で惨殺されていた。担当になった刑事は、強引な捜査方法で出世の道を登ろうとする野心家。妊娠した貞淑な妻を持ちながらも、情熱的なクラブ歌手を愛人にしている。愛人は妻の大学時代の友人だった。事件はチンピラによる単純な殺人かと思いきや、容疑者のアリバイが発覚。刑事は店主妻に疑惑の目を向け、不倫していた事実を突きとめる。一方、自分の愛人からも妊娠したと告げられるが、二股をやめようとしない刑事に、愛人は次第に大胆な行動を取るようになり…。

不倫は文化とみなされない韓国では一大事。タブーついで(?)なのか、やたらと女優のヌードシーンが多く、男優ヌードは見慣れている韓流マダーム達はどう思ったやら。とにかくこの刑事がやたらエネルギッシュ。容疑者はボコボコにするわ、ヒマさえあれば愛人のマンションには通うわ、部下に無理やり焼酎一気飲みをやらせるわ、酔っ払って愛人のマンションのドアの前で騒ぐわと、70年代の日本映画なんかでよく見かけた感じのシーン多数。おまけに妻の前で愛人からの電話に「○○刑事」なんて呼びかけるアナクロさ。このメインの三角関係は、終盤近くであっと驚く真相に到達。とは言え○ヴィン・○ー○ンが出てるアノ映画とか観ちゃってるとそんなに驚きゃしなくって、どっちかというとその状況の異常さに呆然。刑事の表彰式に一張羅のドレスで堂々と祝いの花を持って警察にやってきた愛人と、土曜ワイド風の人気の無いひなびた湖畔にドライブする刑事。車のトランクで不純な行為に及ぼうとしたところが、当然のごとくバタン!と無常な音を立てて閉まる蓋(←というのか?)。どんだけ広いのか知らないけど、大人の男女(しかも男は軍隊経験もあり)が閉所に閉じ込められたんだからもうちょっと焦ってもいいと思う…とポカンとしてると、徐々に焦ってきたのでほっとする。<? 温度と酸欠で朦朧としてきた上に、愛人の下半身からの出血大サービスでトランクの中は地獄絵図。ここで明かされる驚愕の真相は、恋愛映画にあるまじきこの過剰ジャーロ演出に負けたのである。しかし私が最もびっくらこいたのは別のところ。殺された店主若妻の不倫で、要はどっちからアプローチしたか、っていうのを犯人特定に繋げようとするくだり。妻も子もいる男は「色っぽい奥さんから誘われて」、対する昼下がりの人妻っぽい女が「こんな写真とか現像に出してきて気を惹こうとしたんですぅ〜」と言って刑事に見せた写真は(多分オイル塗った)胸板とか腕とか脚とかのセルフポートレート。これも何か合理的な理由でもあるのかと思ったら、ただその男の趣味だったという…。

と、韓国映画2本ぶっ続けに観てみたんだけど、なにせその前に観た「バンジージャンプする」(01/韓)がメガトン級の破壊力だったので、かなり薄い感想になってしまってすいません(もしかして途中で寝てたのかもしれない)。しかし凄かったなあアレ。あのラストにまさかと思い、確認のためにDVD戻して観直したこと4回。絶対観た方がいいっす(笑)。