『エンドレス・ラブ』('81/米) 前編

今回は「懐かしスットコ劇場」といたしまして、当時全世界が涙した感動の名作(?)、名匠フランコ・ゼッフィレッリ監督による『エンドレス・ラブ』('81/米)をラストまで全てネタばらしでご紹介。今回はいつにもまして長くなってしまったので前後編でお送り致します。

<ものがたり>
お互い運命の恋と信じ、片時も離れたくないジェイド(ブルック・シールズ)とデビッド(マーティン・ヒューイット)。2人を引き合わせた兄(ジェイムズ・スペイダー)でさえ、時として眉をひそめるほどの熱愛ぶりだった。ある日ジェイドの家でパーティが行われ、彼女の両親公認で招待されていたデビッドは、帰るふりをして密かにジェイドと愛を交わしていた。しかしジェイドの母は二人の行為を偶然見てしまい…。

つまるところ、ケータイ小説チックな話は昔から連綿と語り継がれてきたのであった!といわざるを得ない”バカップル暴走物語(特に下半身)”だったのである。

冒頭、家人が寝静まったジェイドの家。「僕宿題があるから、そろそろ帰るよ。お招きありがとう。じゃあね!」などと、白々しく帰るふりをするデビッドだったが、実は前もって自ら暖炉に火をくべてムード満載のリビングルームにしたのはお前だろ!『恋空』だと服着たまま陳腐にお茶を濁すところだが、ブルックにボディ・ダブルを用意した今作、ぼかしはあるものの描写はそれなりに濃厚。そして彼氏は後ろ全裸出しまくり。役者としてこれ一作でほぼ消え去ったことを考えると、脱ぎ損だったと言えよう。

そしてそんな娘とBFの行為を見てしまった母親が異常。最初はハッとしたものの、動揺どころか目じりを下げてウットリと鑑賞!!少しして正気に戻ったのか、しかし名残惜しくその場を去る母。医者のくせして近所迷惑なほど爆音でパーティをやらかし、なおかつマリファナも供する父親といい、実は常識はずれな家族なのであった。

異常母も含め(?)、観客は「ああ、やっと思いが通じて初体験が成就して良かったわ」なんてロマンチックに思いを馳せようとしたのも束の間。またまたデビッドはよからぬ場面を見つかることに。素っ裸でジェイドの部屋にいるところを今度は父親が目撃!しかもその部屋に風呂上りのバスタオル一枚で入るジェイド!!!火を見るように明らかな娘とカレシの不純交友を目の当たりにし、いかにラジカルな父といえども激怒!(でも家族のオープンさを売り物にしているので娘にはダイレクトに言えない)

仕方なく妻に憤ると、「あーら今頃気づいたの?もうずっと来てるわよ。朝になったら帰るからバレてないと思ってるみたいw」と驚愕の返事が!ずっと夜這いしてたのか!!!と父のみならず観客もびっくり(のはずだが)。「もうそんな時期になったのよ」と大らか過ぎる母の説得に、父の一言「あの子はまだ15歳なんだぞ!!」でまたびっくり!いやー、そりゃいくらなんでも止めた方がいいだろう!カレシ18歳。まさにそういう意味で100%アンストッパブルなお年頃

「私の部屋なんだからいいのよ」なんて親にバレても悪びれず、自宅がラブホ状態の無敵未成年ジェイド。しかし一応学生なため、睡眠不足で学校では居眠り三昧。とりあえず試験の前は夜這いはお預け。なので携帯が無かった当時は家の電話を長時間占領され、兄スペイダーは怒りまくり。<ピザの出前でも取ろうとしていたのであろうか

結局煩悩に打ち勝てないデビッドは今夜も夜這いに!無駄な努力で明け方帰宅に気が付いたジェイド父は、更に娘が診察室で家捜ししているのを発見。なんとジェイドは眠れないので睡眠薬をパクろうとしていたのである!「お前はまだ15なんだぞ!睡眠薬を盗むなんてもってのほかだ!!」って、怒るのはそこかい!

さすがに業を煮やした父は、2人が会うのを30日間禁止。脳の代りに何か別のものが頭に詰まっているデビッドの前に、通りすがりの同級生(本作で実質的にデビューのトム・クルーズ19才。ぴっちりしたカットオフジーンズ一丁のみを身に着け、ムチムチの裸体を惜しげなく披露)からの軽すぎる助言が!

以下、後編に続く!