『ジョシゴト図書館』の告知第二弾

北村 『ジョシゴト図書館』の告知第二弾、「新・ねにもつ2人」番外編をお送りします。今回、これまでにこのページに掲載したものと書評講座で書いたもの、プラス、2つの作品についての対談を収録しました。電書と言えば、千湖ちゃん、iPhone4買ったよねー。

石井 いろんなひとに驚かれましたよ。あんまり電子っぽくないキャラなんですね、たぶん。北村さんもそうだと思うけど。

北村 言うまでもなく(笑)。でも、iPadiPhoneが発売されたときは何人かが見せに来てくれて「こんな風に本が読めるんですよ」って教えてくれた。本好きは気になってるんじゃないかと思ってくれたみたい。私はiPadがもっと軽くなって、二つ折りに出来るようになったら買うと思う。そしたら電書、たくさん読むだろうな。

石井 ところで、今回収録しているので、いちばん気に入ってるのってどれですか? わたしは『あしながおじさん』が楽しかったなあ。子どものころ読んだ本を読みなおすって、おもしろいなと思いましたね。ほとんど、おじさんの悪口になっちゃったけど(笑)。

北村 私も『あしながおじさん』かな。本編にも書いたけど「おじさんは不器用な男なのかなあ」って書いたら、千湖ちゃんがたいへん明快におじさんのダメさを指摘してくれたのが気持ちよかったよ。これまでに4作について対談したけど、これからはふたりとも苦手な作品や、どちらかだけが気に入っている作品もやってみたいよね。

石井 やりましょう、やりましょう。たぶん女子の本ばっかりになったのって、わたしたち、それしか共通点がないからだと思う(笑)。中島京子さんはふたりとも好きだけど、本来、ちょっと趣味はちがうはずなんですよね。

北村 いや、運動が苦手っていう大きな共通点があるじゃん(笑)。それに、海外作品はわりと合う気がするけど?

石井 ああ、マキューアンの『贖罪』とか『ミスター・ピップ』とかね。日本の現代文学かなあ、橋本治とか。わたしはすごく好きだけど、北村さんはそうじゃないですよね? 

北村 あぁ、たしかに。でも、千湖ちゃんが課題で書いた『巡礼』の書評はすごく面白かった。「マツコ・デラックスなりきり書評」だったよね。あれ、うまかったなあー。
それにしても、今回、だいぶ昔に書いた書評を載せたけど、すこしばかり勇気が要ったよ。自意識過剰だけど。

石井 『隣の家の少女』の書評は、6年前ですからねぇ。でもまあ、おもしろかったです、読み返してみて。いろいろ調べて、だめだった原稿を書きなおして、手間をかけてたんだなあ、えらいなあと思った(笑)。北村さんのは最初からうまくて憎らしかった。褒め殺しじゃないですよ!

北村 あはは、素直にありがとう。でも、書評も含めていろんなことに関して思うのは、自分がやっていることを誰に認めてもらうと嬉しいのか、ってこと。この人に褒められたい、この人に認められたいっていう「この人」がいると、張り合いというかモチベーションが違うじゃない。

石井 それはあります。たとえば書評講座で、全体の点数が低くても、トヨザキ社長や北村さんに高得点もらえたら、全然落ち込まないもん。

北村 千湖ちゃんも私にとって確実に「褒められたい人」のひとりなんだよね。まあ、千湖ちゃんを褒めると社長から「ポトラッチ(贈与)」と言われそうだけど(笑)、私が千湖ちゃんの書評をいいと思うのは、自分じゃなく、作品を差し出す姿勢がいつも貫かれていること。自分はこの本をこんな風にカッコよく表現できます、みたいな自己陶酔の匂いがない。 そして、いつもはっとする文章がある。これ、『ジョシゴト図書館』の販促だから、強調しておくけど(笑)

石井 いちばんうれしい褒め言葉です。ありがとう。わたしも、北村さんの書評を読んでいると自分には絶対に書けないなと思う文章がある。本人には色気がないけど、文章は艶っぽいと思います! わはは。

北村 それどう考えても逆でしょ!

石井 いやいや、リアル北村さんは硬いもん。すぐ詰問するし(笑)なんか、民主党の話をしてふられたという噂を聞きましたよ。ほんと?

北村 違う、自民党! 選挙特番見てて、なんか谷垣さんは民主党の悪口ばかり言ってるねーと言ったら……ってもう、ほっといてっ! 詰問してないし!(笑)。私は千湖ちゃんの、飲んだら記憶がなくなるところが羨ましいよ、マジで。
……とか書いてたら、おおー、『小さいおうち』直木賞受賞! やったねー! 

石井 やった! 直木賞、素晴らしい。じゃあ、記憶なくなるまで飲みましょう。中島さん直木賞受賞を勝手に祝して。

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