新ブログ開設
すっかり更新が滞っていました。
何となく足が遠のいてしまって、
みんなで遊んだ島のことを、
誰もが忘れ去っていました。
あるとき誰かがふと島のことを思い出して、
また島に遊びに行ってみようよ、なんてことを言い出しました。
ほんのすこし隣の島に、また遊びに出かけようと思います。
心機一転。
同はてなブログではありますが、下記に移転いたしました。
http://syohyouking.hatenablog.jp
よろしくお願いいたします。
FMヨコハマ「books A to Z」10周年☆勝手に記念トークイベント
3月3日(日)に、JR桜木町駅前コレットマーレ5階の紀伊國屋書店横浜みなとみらい店で「books A to Z」10周年☆勝手に記念トークイベントを行います。
時間は12時〜、13時半頃〜、の2回を考えています。もちろん無料です!
番組はこの春で、ありがたいことに10年を迎えます。この10年に紹介した本を中心にセレクトした30作ほどをお店に並べていただきますが、当日は実演販売人的立場で、みなさんの目の前でそれらをお勧めいたします。「生books A to Z」のような感じにしたいと思っています。
どうしても私が実現させたかったイベントです。当日は、現在製作中の特製グッズを用意してお待ちしております。
ぜひ、いらしてください。
◆「books A to Z」放送10周年記念イベント
日時 2013年3月3日(日) 12時〜 13時半頃の2回
場所 紀伊國屋書店横浜みなとみらい店
出演 アナウンサー 北村浩子
「書評王の島」vol.5情報
「書評王の島」vol.5 2012年5月6日発売。通販開始しました。
vol.5の目次※クリックすると大きくなります。
値段は800円(税込)。送料は1冊100円(メール便でご送付)です。※複数冊数ご購入の方はお申し込み時に実費をお知らせします。住所氏名と希望の号、必要冊数を明記の上、以下のメールアドレスまでお申し込みください。
ご注文いただいた方には、確認メールをご送付しています。3日以内に返信が届かない場合は、お手数ですがご一報ください。
bookreviewking★gmail.com ←★マークを@に変換
<バックナンバー>
vol.1 500円
vol.2 900円
vol.3 在庫なし再版の予定はありません。
vol.4 800円
※内容はこちらをご参照ください。
『スーサイド・マーダー』(2008/米)
- 出版社/メーカー: アルバトロス
- 発売日: 2008/08/27
- メディア: DVD
- クリック: 5回
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監督 : アーマンド・マストロヤンニ(←まさかあの一家と関係あるのか??)
主演 : クリスタル・バーナード
<ものがたり>
作家志望が集うサークルの批評会で辛辣な言葉を浴びせられ、落ち込むジュリア。一度は短編で賞を取り、版元から前金をもらったものの、次回作が書けずにスランプに陥っていたのだ。サークルの友人アンジェラから、他には内緒で読んでほしいと原稿を渡される。気のりせずに読み始めると、自殺を装って殺人を犯し続ける男の独白を綴ったサイコ・スリラーだった。作品の素晴らしい出来に驚嘆と共に嫉妬するジュリア。その頃アンジェラは秘密の恋人に殺されていた。現場を調べた警察はガス自殺だと断定したが…。
この脚本家と監督は土曜ワイド劇場のファンだと思う(しかもユルいやつ)。
…と一行で感想を終わらせたいところですが、実質80分強、体感時間4時間半の、あらすじを読んだだけでオチまで簡単に予測できるサスペンス度マイナス150%のミステリ映画。でもラストのあるシーンだけ妙にスットコだったんで記録に残します。
まず主人公ジュリア役の女優からして安さ爆発。「マドンナそっくりさん大会」とかデパートの屋上で開催したらいそうなタイプ。サークル仲間の原稿を読んでる最中に(都合よく)嵐が! ローソクを灯して食い入るように読みながら「おそるべき傑作だわ…」って声に出して言う主人公。まさに視聴者が皿を洗っててもわかる演出! 一方ガスマスクを付けたカレシに襲われるアンジェラ。カレシ(犯人)はテープで窓に目張りをし、ドアにタオルを挟んで逃げるんだけど、テープにアンジェラの指紋残ってないし。CSIが調べたら一発で他殺判定間違いなし。
アンジェラの訃報を聞いたジュリアは、視聴者の100%察しがつくように、担当編集者マーゴに自分のと偽り原稿を提出。その約1分後には大ベストセラー記念パーティが!(この○○記念パーティってのも土曜ワイドで大変好まれるシチュエーション) しかしその爆発人気のミステリーのタイトルは『由々しき悪行』…なんか自費出版みたいなセンスなんですが増刷に次ぐ増刷なんだとか(棒読み)。続編を書けという担当に「次の作品はヒストリカル・ロマンスが書きたいって言ったじゃない!」って…主人公、一体どんな短編で入賞したんだ。
会場で他の人気作家たち(ドン、キャサリン、ミランダ)、イケメン敏腕編集者(多分そういう設定)のトレント、カリスマセレブ広報などに紹介され、これからそのメンツでサインツアーを始めると知らされる。この老若男女利害関係あり的なメンバー構成こそが2時間サスペンスの王道!名取裕子がツアーガイドやってても違和感無いぞ!! 更に“たまたま出版社に知り合いがいた刑事”まで出てくる親切設計。いつ誰が死んでも大丈夫!そんな会場に「俺が聞いた話を本にした作家はどいつだ!」と、精神病院で他の患者から聞いているのを天井からスパイしたと電波系のオヤヂが乱入するも、つまみ出されてその場は収まる。
ホテル・ルーズベルトに泊まった一行。(この後、事あるごとにこのホテルの看板が大写し。やはり2時間ドラマの“協賛”なのか?) 部屋まで送ってくれたトレントに「好きな作品は『チャタレイ夫人の恋人』なの」と迫って外したジュリア。高級ホテルの薄い壁越しから聞こえる鳴り止まない電話に、隣室のセレブ広報の安否を気遣い関係者を呼ぶと、浴室に彼女の死体が!状況からやはり自殺ということで落ち着いたが、1件目もこれも誰も動機を気にしてないのが謎。
「小説と全く死因が同じなのよ」というジュリアの言葉で件の刑事は一応不審に思い始めるが、「例え死人が出てもツアーは続けるわ!」という担当の鶴の一声でサインツアー続行。普通は関係者が不審死を遂げたら止めるんじゃね?しかも国内だしさ〜、という常識は2時間サスペンスでは通用しない。葬儀場でいきなり「私は少女時代、母親に虐待を受けているという友人の言葉を信じて、二人でその親を殺したの」とジュリアに告げる老女流作家キャサリン。なぜそのタイミング。
ホテルに戻ると、部屋には創作サークルのビリーが待っていた。「君の才能じゃあれは書けない」と、盗作疑惑でゆすりを匂わせて去ったビリーに言われるがまま、指定された家にジュリアが赴くと、そこにはビリーの首つり死体が。<もう全然驚かない ここまで続くと刑事も(ふと考えると、この現場一体どこ?管轄は??)、「君の小説第12章と同じだ!」と気づく。章まで覚えてるとは恐るべき読み込みぶり。仕事してるのかお前は!
今度は、連続事件を宣伝に使おうとする担当マーゴが血祭りに。高級マンションの部屋からジュリアの眼前に墜落。<やはり そんなことがあっても出版社パーティは予定通り決行。社長が申し訳程度に追悼を述べる途中、うんざりしたジュリアが会場を抜け出すと、またもやあの電波系オヤヂが乱入!(どんだけセキュリティが甘いんだこの会社は) ジュリアが危ない!と探しに行くトレントとキャサリン。
一方、最初の事件に戻りアンジェラの謎の恋人を探し当てた刑事は、乗っ取られたIDを見て犯人はトレントだとわかる。(と思ってなかった人はどのぐらい居たのか!) 本性を現したトレントはジュリアを会場ホテル地下に監禁。「治療として精神分析医に書かされた犯行実録をアンジェラは勝手に君に見せたんだ。俺の原稿だ!!!」<いつの間にか原稿ということに つまりそれじゃ飽き足らずに電波系オヤヂに本当に語っていたという無駄に複雑な設定。ダクトテープでジュリアの手足を椅子に縛り付け、「君が連続殺人犯で、最後自殺を遂げたことにする。遺書を書け」って迫るんだけど、テープの痕とか何も考えてないんですけど。今まで捕まらなかったのは偶然としか思えない。
そしてクライマックス。ノートに遺書を書くジュリアに、
「何だこれは!内容もひどいが字も汚い!」
「陳腐な出だしだ!」
「もっと感情を込めろ!!」
「まだ書けないのか! 作家のくせに締切も守れないのか!!!」
といきなり編集者魂炸裂で、何度もダメ出しで書き直させるトレント。
そんな悠長なことしてる場合か!!(笑)
案の定、遺書にやっとOKが出たので毒を注射されるところ、間に合ったキャサリンがトレントをブチ倒す! 反撃を受けたキャサリンに代わり、見つけたドライバーでトレントをメッタ刺しするジュリア。<ここだけやたらとホラー描写 やっと安心した途端に、血まみれで起き上がるトレント。<これまた全然驚かない展開 そこに刑事到着。射殺して終了。
後日談として、トレントは14歳から殺人を犯し続けていたそうですが、上記のようにザル並の計画的犯行なので、やはり今まで運が良かったとしか思えないのでありました。ラスト、残ったツアー仲間とトレントの葬儀に出席するジュリアが、棺を覗くと死んでいるはずのトレントの目がカッと開く!恐怖の叫び声を上げるとそれはジュリアの夢だった…というあまりにも劣化パクリなシーンで終わるものの、なんたって連続殺人で射殺された犯人がこんな普通にお葬式できないだろ!と誰しも気づくので、オマケの夢落ちさえも無駄に終わるのでした。完
*ここでお知らせです! あの柳下毅一郎氏が待望のウェブマガジン、「柳下毅一郎の皆殺し映画通信」 http://www.targma.jp/yanashita/ を始めました!なんとそこで不肖私もスットコ映画レビューを書かせて頂いております。映画秘宝のあのコーナーが無くなって寂しい方、ぜひ登録を〜。
『ブルー・エンカウンター』(2002/香)
[rakuten:guruguru-ds2nd:10159245:detail]
遂にスットコ映画も文学フリマで同人誌デビュー! 5月6日の文学フリマ@流通センター、「書評王の島」ブース(カ ー13、14)で売らせて頂くことになりました。「書評王の島」本をお買い上げのついでによろしくお願いします!
<ものがたり>
サンフランシスコに人知れず存在する国連の秘密機関AAA(地球外生物分析課)の腕利き捜査官ウェズリー(アンディ・ラウ)が向かうのは、なじみの骨董屋。人間の手首の骨の形をした青い水晶を、買いたいと現れた女性ティンガイ(ロザムンド・クヮン)に譲ることに。おりしも事件発生の知らせを受けて現場に向かうと、敵対するFBI特捜部と鉢合わせ。ケイワイ(ロイ・チョン)とソウ(スー・チー)を出し抜いて凶悪宇宙怪物に立ち向かうが、すんでのところで命を救ってくれたのは、巨大なパワーを持った地球外生物のティンガイだった。
香港映画好きな人なら誰でもご存知のバリー・ウォン(王晶)といえば、そりゃもうサービス精神旺盛な確信犯的スットコ映画を次々と世に放つ異色プロデューサーであり監督なので、ツッコミは野暮というものですが、中でも製作及び出演(クォク博士)したこのSF大作はぜひ多くの人に知って頂きたい超絶問題作。『ブルー・クリスマス』など思い出したところで何もならなかった…。以下参照。
国連のMIBって何!と、しょっぱなからお茶を吹きそうな珍設定。いかに中華街が大きいとはいえ、アメリカなのに主役・FBIの精鋭2人・怪しい博士・宇宙人(いいのと悪いの)が全員中国人(のルックス)。すごい割合。
冒頭宇宙怪物が出現した現場で、「住宅地だから気をつけろ!」と言ったそばから、メンツを保つためだけに地球人同士で実弾を撃ちあう主人公とソウ。すぐ近くに同僚や民間人がいたような。狂暴化した宇宙人は屋外に逃げる主人公を追い詰めるが…、だから住宅地だって言ってんじゃん! そういえば救ってくれた女性に見覚えが。あれは小学生の頃、学校の前で交通事故にあい、額から青い血を流していた女性にそっくりだった。たまたま教室から出された主人公以外は、その記憶が全く残っていなかった。
FBI本部の特別治療室、浮遊する球体の中にいる瀕死の主人公に、外からティンガイが念を送ると不思議なことにあら回復。「スーパーコンピューターと連動して放射能を自ら作り出して治った」らしい。ウェズリーはFBIおかかえ超能力者とパワーを増幅し、脳で交信してティンガイを探し出す。OLに身をやつしていたティンガイは職場で白人おやぢからダイレクトなセクハラ。牛乳をぶっかけて蹴り飛ばした彼女に「Bitch!」と言い放って済む会社…みんな見てますけど。しかもその後、駐車場で反撃に出たおやぢは棒切れで背後から一撃。危機一髪なティンガイを助けたのはウェズリーに化けたクォク博士(バリー・ウォン)だったという、全編を貫いた白人野郎全員悪人説。一方、アメリカの砂漠にはティンガイを追って悪い宇宙人ワーロック星人カップルが地球に飛来(筋肉標本からDr. Manhattanとミスティーク風に変身)。
実はFBIのウィルソン(白人男)もティンガイを軍事利用し一儲けを企んでいたので白人悪人説ダメ押し。反対したウェズリーも監禁され、壁を通してテレパシーで愛を育む2人。ワーロック組もFBIに侵入し、片っ端から地球人(白人及び黒人アメリカ人)を瞬殺。国連支給のベルトの仕込み剣で立ち向かったウェズリーだったが、ケイワイの自爆行為(文字通り)で命拾いし、ティンガイを連れて香港に帰る。「純情な男だった」とケイワイを思い出すウェズリー。
遂に異星人同士のベッドイン。普通にやった後で「実は構造が違う」と言うティンガイに従い、繭状の物体に巻かれて空中セックスをする2人。『デモリションマン』の未来のそれと同じでその実体は不明である。幸せを満喫するティンガイの脳に行方不明だった弟が現れ、さらわれてしまう。弟はFBI日本支部で拷問されて手首を失い、地球人を憎み、ワーロック星人と結託していたのだ。
ティンガイの行き先を探しに、ソウを連れてウェズリーは小学生の姪っ子の所へ。手を握って念じるだけで居場所を突き止めるというプロフェッサーX並みの特殊能力で見事ティンガイの脳波と交信。力を増幅するためにソウも輪に加わっていたのだが、助ける助けないのやりとりの挙げ句、「ソウの気持ちをわかってあげて。彼女はあなたを愛してるわ」「僕が好きなのは君だ」と会話が怪しい方向に。そんなことで疲労困憊した女子小学生は倒れる寸前に手から光の玉を放出。「この玉に付いて行けば見つかるわ」・・・ってこの子は一体。
弟を騙して殺したワーロック星人と遂に一騎打ち。主人公が誰得メガネ男子の理由は、実はそのメガネが名探偵コナン仕様だったからという無駄に細かい設定。釣り餌そっくりに分裂したワーロック星人はウェズリーの体内に。聖典を使い、ティンガイも体内に入る。苦しむウェズリーに「ツボは知ってるわね!」「うん!」「行くわよ!気海!」と、次々と指定してツボ押しさせるティンガイ。言われてすぐわかるとはさすが中華圏!
ウェズリーを助けるために力を使い果たし、星に戻る決心をしたティンガイ。「毎年7月の好天は夜空の青い星を見て」。(数多い)出典(の一つ)は七夕だったのか! 「ソウに優しくしてね」と最後まで念押しして旅立ったティンガイを思い出すウェズリーの横には勝ち誇った表情のソウが。完。
監督のアンドリュー・ラウはこの後『インファナル・アフェア』で世界的に大ブレイク。それより前にも『欲望の街 古惑仔』シリーズや『風雲 ストームライダーズ』など文句無しの傑作も沢山作ってますが、ヤクザものかと思ったら主人公が保険の外交員になって苦労する話(『男たちの挽歌 外伝』)とか、公道レーサーがヤバくなってタイでだらだらする話(『超速伝説 ミッドナイト・チェイサー』)など、えも言われぬ珍品も沢山あるのでこれからも頑張ってほしいです。
『ラスト・ターゲット』(2010/米)
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2011/11/04
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- 作者: マーティンブース,Martin Booth,松本剛史
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/01/28
- メディア: 文庫
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<ものがたり>
イタリアの小さな村に現れたアメリカ人の男。寡黙で謎めいた彼の正体は、裏社会からの特別注文で暗殺用のライフルを作る職人だった。極力他人との接触を避けていたが、地元の娼館に通い、世話焼きな神父と交流するようになった頃、女性スナイパーから仕事が舞い込む。これを最後の仕事と決めた男だったが・・・。
監督はジョイ・ディヴィジョンの青春映画『コントロール』を撮った、元カメラマンのアントン・コービン、主演のエドワードはジョージ・クルーニー。原作はマーティン・ブース『暗闇の蝶』(新潮文庫)。
大抵の映画は原作を超えられない、とりわけスットコ界においてはもうこれは完全常識だと思っていたら、なんと原作の方がスットコだったという異色作!
というのは、原作ではイギリス人の主人公はかなり(おそらく)年配。その年配の男が、「老いてなお」かっちょいい、モテモテ、金はある、グルメ、おしゃれ、もちろん仕事も超一流・・・という、男はこうありたいねと言わんばかりのLEON御用達オヤジなのである。必然的に蘊蓄の嵐。蝶の絵が専門のイラストレーターというふれこみなので、自分の尿でいかにおびき寄せるかとかやたら細かい。そんなばりばりの”男ハーレクイン”をジョージ・クルーニーがやるというので、ある意味大変期待していたのだが、これがふたを開けたら女ハーレクインになっていた!
冒頭、イタリアに来る前にスウェーデンで殺し屋に狙われるんだけど、こんなシーン入れなきゃ良かったのにねえ・・・。というのは、北欧の冬、雪の積もった屋外に出たクルーニー、鼻とほっぺたが真っ赤なんですけど!『パーフェクト・ストーム』の漁師じゃないんだから!とりあえず銃撃シーンで硬派に決めたけど、あまりにしょぼいツラでこの先どうするんだろうと不安。
あったかいイタリアに来てなんとかいい男オーラを出せたクルーニー。半裸で腕立て伏せに懸垂に風呂上がりシーンと大盤振舞い。しかし原作では「老いてなお」が売りだったのに、クルーニーはああ見えても撮影当時まだ49才ですから!だもんでなじみの娼婦ができて娼館に足しげく通ってもそんなにどうってこたぁないんだけど、なにせ原作では作者の願望なのか、女子大生と3P!しかも老いてなお!という大スペクタクルシーンが売りとなっている。<? しかし映画ではせっかく(?)クルーニーを使っているにもかかわらず、このシーンは無し。全国の既読オヤジの落胆が目に見えるようである(ウソ)。一応それなりのシーンはあるものの、一人だけ(笑)。おまけにこの相手役の娼婦(ビオランテ・プラシド)も女子大生度皆無なんですよねえ。(撮影当時34才だったらしい)やっぱオヤジドリームとしては女子大生は重要なんじゃないの?
地味にリッチな生活を送りつつ、美人過ぎるスナイパーのご注文もこなし、真実の愛も見つけたんでここは引退!と、そうは問屋がおろさないのは当然。謎の殺し屋に狙われるわ、恋人の素性も怪しくなってくるわで、冒頭からずーーーーーーっと眉間に刻み続けた苦悩のしわも、苦みばしったいい男を通り越していい加減飽きてくる。これ、やってるクルーニーも辛かったろうなあ・・・全然笑えないし。
そしてクライマックス。お決まりのその土地ならではの催しに乗じて暗殺者に狙われるクルーニーであったが、ここでいきなり原作とは違う方向に!
えー、それで終わりますか!
まさかの方向転換でハーレクインフィニッシュ!!全女性が泣いた!
かくして男ハーレクインは普通ハーレクイン(もしくは韓流風味)に趣旨替えしてエンドクレジット。まあいいけど。
でもさあ、女子大生3Pはレーティング的にともかくとして、「現役女子大生2人が初老の男をキャットファイトで奪い合い」ってシーンは残しといた方がシニア層の観客が増えたと思う。しかしそれよりなにより私が不満なのは、本で一番笑い転げたあの台詞が無かったことだ!これをクルーニーが言うシーンを本当に観たかったんですけど!!!以下、問題の台詞。
「尾行は男のスポーツだ」
完
【第13回文学フリマに関してのお詫びとお知らせ】
11月3日の文学フリマで「書評王の島」vol.5を刊行する予定でいましたが、諸般の事情で見送ることにしました。
公式サイト(http://bunfree.net/)で公開されているサークルリストの紹介文等をご覧になって楽しみにされていた方々、誠に申し訳ございません。これから企画を再度検討しまして、来年5月の第14回開催に向けて準備を進めていきます。
なお、11月3日当日は「カ−1」のブースで「書評王の島」のバックナンバーを販売します。vol.1〜4をそれぞれ約30冊と残部僅少。お早めにお買い求めください。よろしくお願い申し上げます。