『赤ちゃんが来た!』

赤ちゃんが来た

赤ちゃんが来た

この本は、たぶん私が生まれて初めて読んだ育児エッセイだ。「本」というのは正確ではない。新聞連載時に楽しみに読んでいたのだ。初出は90〜91年の朝日新聞。小学生のときに新聞読んでた自分を誉めてあげたい(笑)。というのは冗談としても、このエッセイが小学生でも易しくおもしろく読めるって証だろう。このブログの選書に困ってたとき、「あ、そういえばコレがあったよ!」と思い出したというわけ。

妊娠→出産→育児の様子が、前後しながら綴られている(新聞以外で書いたのも入ってるから)。漫画家という仕事もあって、リクオくんが起きるのは昼の二時(!)。寝るのも夜中の二〜三時。また、妊娠中はさすがに止めてたタバコも出産したらまた復活。ネコ5匹と同居。一歳になる前に子どもを置いて夫婦で海外へ(仕事なんだけど)。などなど、優等生ママなら目くじら立てそうな話ばかりだけど、それでも著者が子どもを十二分に愛してて、子どももすくすく育っている。その様子を見て、ちょっと安心したのは私だけではあるまい。

おかしかったのが、著者の息子が話せるようになってから、「オーモイオーモイ」と言って何かをねだるようなしぐさを見せるようになる。何かと思ったら「抱っこ」のこと。なんで「オーモイ」なのかというと、かなり発育のいい赤ちゃんだったので、抱き上げるひとみながそのたびに「重い!」って言ってたから、「オモイ」=「抱っこ」だと思ってしまったという次第(笑)。かわいいなあ〜。

また、いちばん共感してしまったのが「息子と布団のなかにはいってると、なんだかアブナイ気分になる」ってエピソード。めちゃくちゃわかる!! お肌すべすべで、なんだか甘いいいニオイのする若男子と同衾するって、なんて至福の瞬間なの〜〜と毎晩うっとりしてます。昼間もしょっちゅう抱っこしては、頭のニオイを嗅いだりほっぺにチューしまくったりと、我ながらアブナイ。あまりの溺愛ぶりに、夫にもたまに一線を踏み越えてないか心配されます(笑)。

著者本人による挿絵が入っていて、これがまたかわいいんだー。画風がもろに好みってのもありますが、文章だけでなく、赤ちゃんの愛らしさをより強く表していると思います。*1

*1:あれ、今気づいたが、これ絶版なの?