Bの付くスーパースターとナチュラルな笑顔in ハワイ
イケメンウォッチャー(純イケメンから逆イケメンまで、気になる選手を語る)
持っていった水着もラケット・シューズもとりあえず使い、ムダではなかったと自己満足して帰国の途についたのですが、朝5時前から叩き起こされて到着した、早朝のホノルル空港で、もうひとサプライズが待っておりました。
濡れてしまった衣類とお土産で、ますます重くなった荷物をまたずりずりと引きずって、やっとのことで預け、遊び疲れた体と早起きで寝ぼけた頭を抱えながら、搭乗口ロビーのスタバでコーヒーを飲んで一服していた時のこと。
今さっき、コーヒーを買ったスタバに大柄な警官が寄って行き、そのうちに辺りにいた人達の何人かがカメラを持って集まっていきます。
「たぶん、有名人がいるんだと思うよ」と、一緒にいた書評島人のH女史が言い、同行の若いお嬢さんが見物に駆け寄っていきます。
常ならば、有名人にはさして興味もなく、ここでぼんやりしていたに違いない私。ふと、まあ話のネタにちょっとだけ見ておくかな、という気になって、ぶらぶら近づいてみました。
…スタバのカウンターで、鍛えた体つきの外人男性が二人コーヒーを買っています。小柄な方の人物の横顔がちらりと見えたとき…あ、見覚えが?…あらら?知ってるかも?…あの人ってBの付く?
B…
…べ…
…べ……
べ ッ カ ム やんーーーー!!!
うっわーー。うっそー。…か、か、カメ…カメラ…。
慌てて戻ってカメラを持ったものの、動揺して手元がさだまらない。
だって、近すぎる。そば過ぎる。手を伸ばせば触れるくらいすぐそこに…。
そういえば、ホテルにチラシがあったっけ。サッカーのパンパシフィック選手権がハワイで開催されるって…。
しかし、よもや空港で…。不意打ち過ぎです。だから、だから…。
すみません、こんな一世一代のチャンスにこんな写真しか撮れなかったんです。
亡霊ではありません、ベッカム選手です。
妖怪でもありません、ベッカムなんです。
そっくりさんではありません、本物のベッカム選手だったんです。
そうでした。
間違いなく、このコラムを担当してから、神様が応援してくれているんです…。油断してました。
後から考えれば、ビデオモードにしておけばもっとはっきり…。でも、カードのメモリーも不足していたから、やっぱり失敗していたかも。私は報道記者にもパパラッチにもなれそうにありません。
後悔先に立たず…です。
ふらりと気まぐれにコーヒーを買っていったベッカム選手は、何だかチームメイトのギャラクシーの選手達に冷やかされているようで、照れ笑いしているように見えました。
ギャラクシーの選手達、一般人の合宿みたいに選手達がロビーの隅に集まって、ぞろぞろと移動していったのです。そういえば、写真を撮ろうと駆け寄っても、ガードの人達もさして過敏に制止することもありませんでしたし。何となく、のんびりした雰囲気。これがレアル・マドリードの時であれば、とてもこんなハプニングは考えられなかったんでしょうね。
ベッカムの笑顔は、普通の人々のようにチェーン店のカフェで安いコーヒーを買えたことが、楽しくて、満足で、ちょっと自慢したそうな、そんな表情に見えました。初めてのお使いから戻った子どもみたいな笑顔に見えました。トップチームでキリキリと闘っているときより、心にゆとりがありそうに見えました。
ガンバ大阪と対戦して、ガンバが勝ったようですが、やっぱりちょっと観光気分だったのかな、と思い返すとそんな気がするムードでした。
スーパースターと遭遇して舞い上がってしまいましたが、実はハワイではもう一人、素敵なイケメンに出会っているのですよ。浅黒い肌と濃い眉、長い睫毛。笑顔がすっごく爽やかで、ちょっとシャイ。
そうです。雨の中のテニスにつきあってくれた彼。
じゃーん!
いいっしょ、いいっしょ?
優しい彼の名は、ジェンソン君です。中学生くらいでしょうか。
写真送ってあげたいような気もするのですが…。
でも、ジェンソン君も、ベッカムも、一期一会の旅の楽しい思い出。
それでいいのかもしれません…。