『子育てハッピーアドバイス』
- 作者: 明橋大二
- 出版社/メーカー: 1万年堂出版
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: 単行本
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出ました、育児書界の大ベストセラー。出版社HPによると、「シリーズ合計250万部」とのこと。……予想以上にスゴイな、これ。育児書界に限らず、ふつうに大ベストセラーだ。
なので、この本のこと知ってはいたのですが、なーんか胡散臭いというか嘘くさいなあと思って敬遠していたところ。自己啓発臭がするとでも申しましょうか。ちなみに読むまで著者を「明川哲也」(元・ドリアン助川)と間違えてました……。
でもそこまで売れるには理由があるのだろうと思って、読んでみました。
結果→「なるほど、これは売れるよ!」
最近多いといわれている「キレる子ども」。原因は別に〈ちゃんとしつけがなされてない〉わけでも〈わがままに育てたから〉でもなく、〈子どもの自己評価の、極端な低さ〉によるものだと著者は断じます。自分が生きてていいんだ、生きてる価値があるんだ、誰かに必要とされているんだと安心して思えるようにするためにはどうしたらよいのか、ということが1冊かけて書かれています。
特に難しいスキルは必要とされておらず(当たり前だ。子育てが難しかったらかないません)、
・スキンシップを大切に
・相手の話を聞こう
・がんばれ」よりも「がんばってるね」と認める
・「ありがとう」という言葉をどんどん使おう
など、まあよくあるっちゃある話。
とはいえ、実際に子どもとの生活でどうやってこれらを取り入れていくかについては、忙殺されちゃってなかなか実践できてないひとも多いのではなかろうか。そこで、具体的にどうやってスキンシップしたり声がけしたりするのかが示されていて、すぐにでも取り入れやすい。
また、「『甘やかす』と『甘えさせる』の違い」や「叱っていい子といけない子がいる」など、かなり興味を引かれるトピックも。
ちなみに「甘やかす」は「大人の都合で支配すること」。「甘えさせる」は「子どものペースを尊重すること」。たとえば、スキンシップや赤ちゃん返りなど情緒的要求を受け入れるのは「甘えさせ」なのでOK、「カネやモノなど物質的要求を受け入れる」のは「甘やかし」なのでNG。なるほどね〜〜〜。叱ってはいけない子についても、どういうタイプがそれに該当するのか、叱ってはいけないからといって放置していいわけではなく、ではどうするべきなのかについても的確なアドバイスが。
さらに子どもへの対処だけでなく、母親自身のサポートについても言及している。よく母親が見舞われるトラブルとして、育児についての周囲からの過干渉が挙げられる。「ああしろこうしろ」「あんたがこうだから、この子もこうなる」など、なにげない一言が母親を苦しめていることはなかなか気づかれづらい。では母親はどうすればよいのか。相手と自分の間に境界線を引こうと著者は提案しています。境界線といっても、壁のように相手をシャットアウトするのではなく、生垣のように風も通るし、お隣と会話もできるようなもの。相手の言うことを真正面からすべて受け止めるのではなく、時には距離や頻度をコントロールして自衛しようと呼びかけています。こんなの当たり前かもしれないけど、育児中は不安に駆られるから、ついつい周りの声に耳を傾けすぎちゃうんですよね。
とよりどりみどりな内容ですが、ほとんどがイラストや漫画。漢字にはルビがふってあり、本を読むのが苦手な人にもやさしいつくり。ベストセラーの基本ですね。個人的にこの画風がかわいらしくて、とても好きです。
幼少期のみならず10代の子どもを持つ親のための続編や、忙しいパパのためのバージョンもあるようで、これは長いお付き合いになるかも〜。バカにしててスイマセンでした!