フロッグマン ('04/米)

フロッグマン [DVD]

フロッグマン [DVD]

<ものがたり>
アメリカのひなびた田舎町に、環境保護庁から水質汚染を調べにグラマーな博士がやってくる。近年発生した奇形の魚や水棲生物に危険を感じ、その土地で有力な薬品会社の社長に警告を発するが、逆に脅されて追い返される。その工場から不法投棄された猛毒性の農薬で、町では病人が続出していたのだが、社長と姻戚である保安官は当てにならない。孤軍奮闘する博士を尻目に、恐怖の生物が町を襲おうとしていたのだった…。

大体、化学薬品で何かが汚染ていうのは「バケモノが出てくる」と相場が決まっているものの、それがアルバトロス、又はアルバトロス・コア配給というだけでもう絶対に本気度皆無って感じだけど、中でも確信犯的に作られたトホホ映画。ボンクラが集ってビールでも飲みながらぬるくバカ笑いするにはお奨めの一本。
しょっぱなからバカ映画としてのつかみはオッケー。湖にピクニックに来てた子供が水面に浮かぶ妙な物体を棒で突付いてドキッとするシーン。お母さんは「怖くないでしょ。それはオタマジャクシよ。」って言うんだけど、頭が直径45センチ(推定)のオタマジャクシ…普通は怖いぞ!
タイトルバックはちょっとトウの立った女子2人の唐突なベッドシーン。ボンクラ相手にそこらへんのサービス精神も抜かりなし。実はこの片方の女性が女博士で、相手は汚染区域の地元のバーテン。<手が早い
汚染報告をしてきた養魚場に向かう博士。チェックのネルシャツにオーバーオールという田舎白人のユニフォームを着たオヤヂに対し、胸はヘソまで開けて背中丸出し、なおかつノーブラ。湿原地帯でブヨに刺される危険もなんのその。オヤヂも血圧上がって倒れることなく博士に見せた突然変異の奇形はというと、わかりやすすぎる目が5つ付いた魚。「今年はこんなもんじゃなかんべ」と次に出したのが!体長30センチぐらいの濃緑色の物体。か、かっぱ???なんかこれ一瞬しか出ないんだけど妙に可愛い。
定石どおり男尊女卑のごうつく社長は、お上にバレたらおまんま食い上げなので、下っ端2人にいつものように不法投棄指令。ここで片方はドラム缶から漏れた薬品に触ってしまう!気持ちいいほど外さない!!(笑)
汚染された死骸を解剖し、なんだかウソくさい化学式を割り出す博士。<観ている方にもそこらへんのエキスパートは絶対にいないのでクレームは出ない(笑) 保安官事務所で訴えるも、保安官は実は公害による息子の入院(この息子が最後まで姿を見せないのは、単なる経費節減だということが後によくわかる)と、郡中が集まるという今夜のフットボールの試合のことで頭がいっぱい。
博士とガールフレンドが夜道を走っていると、車の前に人影、いやさ緑色の等身大のバケモノがついに登場! 「あれはカエルよ!」って言うんだけど、あの一瞬でなぜ特定を?(笑) 
そしてとうとうB級映画で襲われるキャラナンバーワンである、「今にも、もしくは既に行為に及んでいるバカップル」の登場。どうみても30代にしか見えないバージン役と、ムダにお尻丸出しの黒人にーちゃん。にーちゃんがドーテイなもんで、チッ、かったりぃなーと思っていたデブ女子は、途中から急にノリノリになり、ふと相手を見たら…
仮面ライダーアマゾンを500年ばかし劣化させたようなビニール風の着ぐるみが自分の上に!!!
<しかしどう見ても飛び跳ねてるだけで入ってません
おまけにごていねいに「ゲコゲコゲコッ!」とカエルであることを強調!そして恐怖シーンのはずがなぜかBGMはアップテンポののんきなものに!<この映画、BGMがいろいろと妙
デブ女子は実は悪徳社長の娘。父と叔父である保安官に訴えたことから、博士の目撃証言も認められ、本格的にバケモノの調査。結果、「繁殖するために人間の女性を襲うDNAが組み込まれている」と判明。『スピーシーズ』のパクリというには余りにも大雑把
というわけで「バケモノレイプ犯」を捕獲しようとするも、今夜はヒマな住民が一斉に集まるフットボールの大試合が!…という割には観客席がガラガラ、つーより座ってる人の方が少ない。高校野球地区予選準々決勝の方が人多いだろ!ってぐらいいない。
<後にメイキングを見たら、観客役は全部で50人いなかったと知る
バケモノ捕獲に集まった郡警察一同(たしか3人ぐらい)の邪魔をするかのごとく、ついでに現れる人間のレイプ犯。息子の病気が水質汚染のせいだとわかった保安官は突如正義の人となるものの、現れた巨大カエルの一撃でアッサリおだぶつ。同じDVDに入ってた予告編の中国映画ではレンガで殴られても軽症の人がいたが(笑)。
追い詰められた(?)巨大カエルは、フィールドにお目見え。華麗なタックルをかまして衆人の前に!そこで初めて出てきた一観客のおねーちゃんが一言、フロッグマンよ!!」
<ちなみにオリジナル音声では"Monster frog!! "であった。アルバトロス・コア、いい仕事してます(笑)
明るいシーンで見ると、さらにビニール度高し。ごていねいに腹の辺りは皺が寄ってます。おまけに走る姿はというと、いまさらカエルっぽく見せたいのか、ガニマタで遅い!!(笑) 
そんな奴にあっさり逃げられた一行は、地図を見ながらフロッグマン(今後これに統一)の行方を推理。しかし博士、わざわざ定規を持ち出したのに、なぜフリーハンドで汚い線を引く?(笑)
<間違いだとしても、地図をもう一枚用意するのさえケチったに違いない
そうして出した結論は、「奴の行く先は全寮制の女子高だ!」。さすがレイプ犯。でもどこまで知恵があるのかさっぱりわかりません!!(笑) 
博士の異常を予測して本部から応援に駆けつけた一行(注:全部で2人)とともに女子高に駆けつけると、玄関には中年の尼さんの死体が。「なぜ殺した?」「女として役に立たないからでしょ!」って、博士、どこぞの政治家並みのセクハラ発言です。そこへ絹を裂くような女子たちの悲鳴が!!クリスチャンの女子寮なのにピーチ・ジョンみたいな下着を着けた女子高生4人を襲おうとしているフロッグマン!若者から自分に目を向けようと突如巨乳をさらけ出す博士であったが、やっぱり若い方がいいとか言われたら?などと思っている間もなく、数発の銃声が!地元の猟友会所属の薬品会社社長による渾身の一撃で、あまりにも簡単にフロッグマン即死
事後処理も終わり、彼女を連れてその場を去る博士。こういう映画は絶対ここで終わるわきゃーない、と思っていたらこれまた予想通りに「9ヵ月後」のテロップが。
フロッグマンに襲われたデブ女子が分娩中。事件当時すでに「体内にあったのは人間の精子では無い」って言われてたんですが。傍には騙された黒人少年が。生み出された赤ん坊を見て看護士は絶句!…って、全部出る前に色でわかるだろ!100%想像のとおり、緑色の赤ん坊が産まれたのであった…。これがまたゴム人形に緑色の水性絵の具ぶっかけただけみたいな代物。最初のかっぱの方が良く出来てたよ!!!(笑)

といった感じで期待を裏切らない全長76分。フジテレビ開局50周年記念大作より面白かったです。