読書の記録

石井千湖さま

いやー、今年も早かった!
と毎年言いますが、ほんとに今年はいつもの年より確実に早かったです。とにかく日々寝て起きてを繰り返した感じ。充実してたってことだよなあと思っている年の瀬です。千湖ちゃんにとっても濃密な1年だったのではないでしょうか(ミステリーチャンネルの「闘うベストテン」録画しましたよ!)。

では、すでに忘却の彼方という感じですが(笑)前回のクイズの答えです。
4番、当たりです!
「ている」というと、「ご飯を食べている」「テレビを見ている」など、まず頭に浮かんでくるのは、“動作の継続”としての使い方だと思います。でも「あいつは根性が曲がっている」「彼は子供の頃から痩せている」「彼女の才能はずば抜けている」などは、曲がり続けている、痩せ続けているわけではない。この〈ている〉は〝属性〟を表しています。「レモンはビタミンCを多く含んでいる」とかも。
また、4番の「姉は6年前に盲腸の手術を受けている」は“経験”。「彼は駐車違反で5回も捕まっている」も同じです。
まだあります。「彼は毎日手紙を書いている」の〈ている〉は“反復・習慣”の意味が、「古い友達の電話番号を覚えている」の〈ている〉は“結果”の意味があります。
面白いのは、〈ている〉形でしか使えない動詞があるということ。「そんな話はばかげている」「この作品はとても優れている」「彼女は年の割に大人びている」などがそうです。逆に「ある」「いる(要る)」「できる」の3つの動詞は、〈ている〉形が作れない。
この、動詞に〈ている〉を付けたらどうなるか、については「金田一春彦の四分類」という有名な研究があるんですが、長くなってしまうし検定試験を思い出したので(笑)この辺で。

さて、今年のベストセラー総合3位は『B型自分の説明書』だったそうですが(……)B型の私は、血液型には何の関係もありませんが手帳を買ってもスケジュールをほとんど書きこみません。毎年買っているのは、能率ダイアリーキャレルなんですが、実は、読書記録も全くつけていないのです。手帳は、写真や地図を挟んだり、気になった本をメモして書店で探すときに開く程度。なので、読書記録は番組のサイトだけだったりします。これを見て「ああ、今年自分はこれを読んだのか」と確かめてる感じ。番組で取り上げていないけれど読んだ本は記憶の中にあるのみです。ひとことでも感想を書いておいたりすればあとあと楽なこともあるだろうにと思いつつ、どうも習慣にならないんですね……ええ、決して血液型のせいではありません。

ところで、今月はなにかと「今年一番面白かった本は?」的なことを聞かれたと思いますが、千湖ちゃんはなんて答えてましたか? そのあたりも踏まえて、次のお題は「2009年(さらに)ブレイクして欲しい作家」でいきたいと思います。来年もきっと面白い作品に出会えるはず、と考えるとわくわくしますよねー。
ではでは、どうぞよいお年を! 

北村浩子